日本人はお金を「貯金する」のが好き
日本ではお金を貯金しているという方が多いようです。
それを選んだ明確な理由があるというのではなく、「何となく」貯金しているという方が一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
日本とアメリカを比較してもその傾向が明白になります。
日本銀行調査統計局が調べた「家計の金融資産構成」によると、日本の現金・預金の資産割合は51.5%、株式や投資信託などのリスク資産の割合は16.8%ほどですが、
アメリカの資産割合となると現金・預金は13.4%、リスク資産の割合は52.4%と、日本の割合を逆にしたような結果となっています。
なぜこのように結果が大きく違うのかというと、マネーリテラシーを養う土壌の違いが挙げられます。
日本の貯金を好む傾向は太平洋戦争後の政策により出来上がったと言われています。
戦後の日本を復旧するために、個人のお金を国営の郵便貯金に預けさせて活用したのが、この貯金を好むマインドが形成するされた理由です。
一方のアメリカでは、幼少期からの学校教育に金融教育が組み込まれており、資産運用についてのリテラシーを身に付ける習慣があります。
このような習慣の差が、金融資産割合として明白に分かれる結果となって表れているのです。
お金を増やしたいなら投資に目を向けてみよう

預金は資産の保有方法の一つですが、もしかしたら預金自体が投資と無関係と思っている方もおられるかも知れません。
しかし、預金も投資の一部です。その証拠に、貯金をしていると利息がついてきます。
しかし、現在の日本ではデフレ経済が続いており、利息が付いてもほんのわずかです。
預金から振り込んだ際に発生する振込手数料などですぐに吹き飛んでしまいます。
また、2019年10月1日から消費税が10%に増税されました。
これにより、普段の生活用品の購入などで無意識に使う金額は増えていきます。他にも社会保険料も負担増額の方向に進んでいます。
ここから言えるのは、これからの日本の傾向として、個人負担額が増える一方である以上、何かしら収入を意識的に増やすことを検討しなければ、預金などで残していた資産が知らないうちに毀損してしまうということです。
このような状況の中で求められていることは、預金として置いていたお金を金融商品に投資する事で、将来に向けてお金を増やす思考を身につけていくことです。
「投資」と「投機」の本質的な違い
投資という言葉は、一般的に株式や投資信託などの金融商品を購入することでよく使われます。
中には投資という言葉を聞いて、ギャンブルをイメージされる方もいらっしゃいます。
「投資のリスク」という言葉もあるくらいですから、そのイメージが結びつくのかもしれません。
では、「投資」は「ギャンブル」と同じなのでしょうか?
はっきりと言えることは「投資」は「ギャンブル」ではありません。
「ギャンブル」と似た言葉に「投機」というものがあります。
「投機」とは、「機会に応じて、短期的に資金を投じて売買取引を行うことで利益を得ること」を言います。
簡単に言えば、「安く買って高く売ることを短期間で行って利益を得る行為」のことです。
これが出来れば、利益をすぐに得ることが出来ますが、世の中に出回る取引でそれが簡単に出来るものは残念ながらほとんどありません。専門家でも予測が難しいのが現実です。
これに対して、「投資」は、「長期的に成長に見込みのあるビジネスに資金を投じること」を言います。
例えば、将来成長の見込みがある企業の株式購入に資金を投入し、企業価値が上がることを期待する行為は投資と言えます。
企業価値が上がれば、株式価値が購入時よりも増加していたり、配当収入が入ってきたりする事で利益が得られます。
「リスク」とは「リターン」の振れ幅に対応していること

投資をする目的は長期的には利益を得ることです。その利益のことを「リターン」といいます。
もちろん、投資をしても利益が得られず、損失が出る場合があります。その損失のことを「リスク」と言います。
この「リスク」という言葉、何となく「危険」という言葉を連想するかもしれません。
ただ、この「リスク」という言葉は資産運用の世界で出てくる専門用語であって、日常で使われている言葉の意味とは違います。
よく「ローリスクローリターン」とか「ハイリスクハイリターン」という言葉を聞くと思います。
投資をすると、順調に価格が上がることもあれば、逆に下がることもあります。
「リスク」とは、この価格の上がり下がりの振れ幅のことを言います。
金融商品の「リスク」と「リターン」の振れ幅はほぼ同じもので構成されています。
例えば、「リターン」は小さいけれど「リスク」も小さい。あるいは、「リターン」は大きいけれど「リスク」も大きいなど、「リスク」と「リターン」は同じ振れ幅で対応しています。
「ローリスクハイリターン」というような、振れ幅の違うもので構成されている商品はありません。
投資のリスクはできるだけ最小限に
投資をするにあたっては、リスクはつきものです。
リスクがなければ利益を得ることはできません。
元手100万円を投資して、損失が出て50万円になることをありえます。
しかし、リスクがなければ利益が得られないことも事実です。
投資をする場合に押さえておくべきことは、自分がどのくらいのリスクを許容できるのか把握して、自分の身の丈にあった投資をすることです。
リスクはできるだけ最小限にして利益が得られるように投資をするのが、投資初心者が心得ておくべきことです。
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