
銀行から調達するなら、決算書をきちんと作ることが基本になります。
きちんとした決算書があって、融資調達のスタートラインに立てます。
その決算書の押さえておくべきポイントを書いていきます。

調達力の基本資料は決算書
前述のとおり、調整力の基本となる資料は決算書です。決算書があって、銀行融資では適正な審査が可能となります。
しかし、決算書を作るとなると、記帳業務は税理士事務所に任せっきりになっていたりして、決算書の中身まで説明できないという事業者の方もいらっしゃると思います。
また、事業計画書を作ったとしても、基本となる決算書がきちんと作れていないと、経営数字の信憑性に欠けてしまいます。
銀行は決算書を見て「格付け」を行っています。
- 正常先
- 要注意先
- 要管理先
- 破綻懸念先
- 実質破綻先
- 破綻先
このように六つに区分しています。
「正常先」に区分されていたら問題ないです。まずは目指すのは「正常先」と評価される会社にならないと調達力は上がりません。
「正常先」に入るためには、いくつかポイントがあります。
借入金の返済は10年以内にできるか?
借入金の返済を10年以内で返せるかどうかは、運転資金に使う必要資金以上の借入金を利益で返せるかどうかで見ます。
具体的には、
有利子負債(借入金+割引手形-現預金)
から
運転資金(売掛金-買掛金+受取手形-支払手形+在庫)
を引いた実際の借入金を
「当期純利益+減価償却費」の10年分
で返せるかを計算します。
利益が出ている10年分は、実質の借入金の額の返済額になっているかどうかを決算書で確認していきます。
2年連続赤字ではないか?
利益が出ている方が、調達力は高いので、赤字が続いていると調達力は下がります。
基準は2年連続で赤字の場合ですが、この状態は「正常先」にはなりにくいです。
ただ、損益計算書の当期純利益は赤字であっても、営業利益は黒字であれば、まだ評価の余地があります。
営業による利益が出ているため、事業実績の面で評価されやすいです。
精査する場合は、無駄な経費がないかを見ると良いでしょう。
本当に必要な経費だったのかを振り返り、いらないものは削り、必要なものでも、食事代や出張代などは、それを会社ではなく、個人の自腹で支払うなどして経費から省きます。
経費にしないことで、利益が出て、調達力が上がります。基本となるのは、利益の出ている決算書です。
毎年、利益を出して、利益剰余金が積み上がっている状態を目指しましょう。
決算月に一番お金が残っているか?
融資の調達力が上がるポイントに、決算月の預金残高が一番多いかどうかをみます。
会社の決算月が、年間スケジュールの中で、一番預金残高が多い月かを確かめます。
決算書には、その年の決算月の預金残高が載ります。
そして、銀行はその預金残高の金額によって融資をするかどうかをチェックします。
当然、預金が多い方が銀行も安心なので、預金の多い月が決算月になっているか、改めて見直してみましょう。
まとめ
決算書から読み取れる情報から、調達力が見極められます。
いつでも融資ができるように、決算書の経営数字を良くする日々の取り組みを大事にしていきましょう。
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