
融資は借りられるときに、借りられるだけ借りておいた方が良いです。
極端な意見かと思うかもしれませんが、その理由について確認していきます。

一番の目的は、資金繰りの不安・心配をなくすこと
まずは、資金繰りの憂いをなくすことです。
これだけ聞いたら「そんな目的なの?」と思う方もいれば、「めちゃくちゃ大事!」と感じる方もいらっしゃいます。
経営をするにおいて、社長は考えることはたくさんあります。先の売上のことはもちろん、マネジメントや事業計画のこと、ビジネス交流の時間など、常に考えていることがあります。
その活動の中で、アイデアが生まれたりするわけですが、それを邪魔してくるものが資金繰りの心配なのです。
資金繰りのことで不安になり始めると、そのことで頭を締めてしまい、新しいアイデアが生まれなくなってしまいます。
例えると、ガソリンが切れかかっている車に乗っている状態です。いつ、車が止まり、事故に巻き込まれるか、ヒヤヒヤしながら運転するようなものです。
そして、資金繰り解消のために、金融機関から資金を借りるにしても、すぐに借りられるわけではありません。
金融機関は、お金の余裕のある会社にお金を貸したがるので、「借りたい時に借りる」ということが通用しないのです。
だからこそ、借りられるタイミングのときに、借りるだけ借りておくことが、資金繰りの不安をなくし、安全経営ができるポイントです。
安全なのは「多額の借入≒多額の預金残高」の状態
次の2つの借り入れの状態のうち、どちらが安全と言えるでしょうか?
- 預金100万円、借入なし
- 預金9000万円、借入1億円
これを見て、二つ目の借入1億円だけをみて、安全ではないと判断してはいけません。
借入1億円かあったとしても、それに見合うくらいの預金9000万円が残っています。
これだけのお金があると、いざ業績が悪くなっても、耐え凌ぐくらいの体力があります。そういう意味では、2つ目の状態の方が安全経営ができます。
借入をしたとしても、必ず使う必要はありません。持っておくだけでも、安全のための備えの役割があるのです。
金融機関は「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」のか?
よく言われるのが、金融機関は「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」というものです。
これは果たして正解なのかというと、おおよそ正解です。しかし、必ずしもそうというわけではなく、業績が上がる見込みがあれば、金融機関は「雨の日」でも貸してくれます。
ただ、それでも「晴れの日に傘を貸す」傾向があるのならば、それを経営の計画に組み込んでおく必要があります。
それは、「晴れの日に借りられるだけ借りておき、雨の日は、その借りたお金で耐え凌ぐ」というものです。
基本的には、「いつでも借りたいときに借りる」という戦略は通用しません。むしろ、そのように思って油断しているのは、万が一のことを考えるとふさわしい考え方ではないです。
そのため、戦略としては「借りられるときに、借りられるだけ借りておく」ことを勧めています。
「借りられるときに、借りられるだけ借りておく」ことで、資金繰りの心配なく、安全経営をしていくことが、後々、継続的に融資を受けられる体質を作ることになります。
会社が倒産しないように、融資を戦略に組み込んでいただけたらと思います。
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