「借りられるだけ借りておく」のは本当に大丈夫?<No.10>

資金調達

前回のブログで、「借りたいときに、借りられるだけ借りておく」という意見を述べました。

それに対して、色々と異論が出ると思います。

その異論のなかで、よくある異論について取り上げ、ひとつひとつ整理しながら反論していきます。

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たくさんの借り入れをして大丈夫なのか?

まずひとつ目の意見として「たくさんの借り入れをしたら危ない」というものです。

確かに、危ないと言われる借り入れはあります。それは、個人で借りる消費者金融ローンやキャッシュローンなどといったものです。

個人の借り入れは利息が高くなりがちな上に、金額も大きく見積もれません。

一方で、事業用の借り入れは、事業を進めて利益を出し、その利益がお金を生み、そのお金で返済していきます。その過程を通じて、ビジネスが大きく展開できるようになります。

つまり、お金を生み出すことを目的としている事業目的の借り入れは、必要に応じてしていった方が良いのです。

そのため、事業をしている社長にとっては、借り入れをすること自体が普通のことです。

むしろ、借り入れをする事実よりも、手元のお金がほとんどないということを危険視するべきです。

「困ったら借りる」は通用しない

二つ目の意見は、「いざというときに借りればいい」というものです。

これについては、「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」という原則を取り上げますが、

この文言のとおり、金融機関は基本「晴れ」のときに貸してくれて、「雨」のときは貸してくれません。

つまり、「困ったときに借りればいい」という戦略は通用しません。

オススメしているのは、「晴れのときに借りられるだけ借りておき、雨の日は、すでに借り入れた資金で耐え凌ぐ」のがセオリーです。

借りられるタイミングは「晴れ」の日です。「晴れ」の日に借りておき、資金の余裕を持たせておくことは、タイミングを見計らわないと逃してしまう可能性があります。

資金が少ないときというのは、

資金不足→業績悪い

という状態が多いですが、こういうときほど、金融機関はお金を貸してくれません。

当然のことですが、業績が悪い会社に、お金を貸したいとは、普通は思いません。金融機関もそれは同じなのです。

金融機関対策をするなら、以下の状態のときに借り入れを検討します。

資金が多い→業績良い

このときに借り入れをし、雨を耐え凌ぐお金として持っておくと、借り入れの意義があります。

借り入れのタイミングが測り「借りたいときに借りられる」ことを目指しましょう。

借りることと、お金がなくなることは別問題

最後の意見は、「借りたらお金を使ってしまってなくなりそうです」というものです。

借り入れをすると、たくさんの資金が預金口座に入ってきます。

 その入ってきた資金を、気が緩んだ時期につい使ってしまうケースはよくあります。

上記の意見は、このケースを懸念しているということです。

これは、借り入れと資金繰りの問題を混同していることによります。

借り入れ自体は資金を潤沢するものなので、その活用は積極的にしてもいいのですが、

「お金がなくなる」というのは融資の問題ではありません。資金繰りの問題です。

「お金がなくなる」ことを気にする状態というのは、資金繰りの課題に直面していないことによる、問題のすり替えだと思っています。

借りる以上は、返済期間や元本自体の月返済額を加味しながら、キチンと資金繰り管理をしていくことが求められます。

お金がなくならないように、無駄な経費がないか、返済計画に沿った利益が出せるか、なにより、借りたお金をキチンと返していけるかどうか。

会社の永続が一番の目的なので、融資を上手く活用して、資金繰り管理をしていけば、継続的な会社運営に近づけますので、長い目で融資できるよう計画してみてください。

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