
事業を維持継続するために融資を受けるわけですが、そのためには銀行との交渉のポイントを押さえておくとよりスムーズに進む可能性が高まります。
そもそも、銀行の仕事は、集めたお金を貸し出して、収益をもたらすことです。銀行も収益をもたらすために貸し出しています。
それならば、銀行がどのような会社にお金を貸したいも思うのか、その特徴を押さえておくことが肝要で。
今回は、銀行が貸したいと思うように、押さえておくポイントについて解説します。
お金が多くある会社
まず一つ目は、「お金が多くある会社」です。
銀行の特徴を表す表現で、「晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げる」というものがあります。
この表現、身も蓋もない言い方と思われるかもしれませんが、銀行側からするとそうでもありません。
なぜなら、集めてきているお金は、銀行のものではなく、一般の預金者のお金だからです。
一般の預金者のお金を、利益の出ていない会社に貸して、貸し焦がししてしまうことは銀行も避けたいのです。
そのため、お金のある会社を優先的に貸し出すということになります。
「困っている会社を助けるのが銀行ではないか!?」と思われる方もいるかもしれませんが、貸し出す側からしたら、回収しやすいところから貸すのは、心理的に当然のことなのです。
取引実績のある会社
2つ目が、「取引実績のある会社」です。
実際に、お金のあるところで、すでに銀行との取引実績、返済実績がある会社には、銀行も貸しやすいのです。
その意味では、銀行と継続的に取引していることが価値となってくるのです。
銀行に取って慎重になるのは、取引実績のない会社との初めての取引です。実績がない分、貸し焦がしが発生するリスクを追いたくはないからです。
その意味で、新しい銀行から融資を受けるのが、一番ハードルが高いのです。
そのため、事前に銀行と何かしらの取引を作ることが、貸してもらいやすい会社にするポイントです。
他行から評価されている会社
三つ目は、「他行から評価されている会社」です。
他行が貸していると、なぜ銀行は貸しやすいのかというと、他行が貸していることが、回収可能性が高いという評価判断のひとつになるからです。
他行が貸していることで、より良い条件を検討でき、銀行さ稟議書を通しやすくなります。
評価のポイントとしては、
- プロパー融資
- 金利が低い
- 期間が長い
- 融資額が大きい
などがあります。
プロパー融資とは、信用保証協会からの保証がない融資のことをいいます。
まずは、プロパーで金額が大きい融資を受けていることがひとつの基準です。
それらの評価基準を満たしていると、複数行が会社の支援について吟味してくれて、互いの視点を意識しながら支援をしてくれます。
たまに、銀行同士を争わせるという表現をされるときがありますが、無理に争わせる必要はなく、互いが意識する体制になっていれば、より積極的に支援してくれるようになります。
まとめ
銀行の交渉は、上記の3点を満たすように計画を立てていくといいでしょう。
これらは一朝一夕でできるものではなく、長い計画と実践を通じて形作られていくものです。
大事なのは、それらを満たす理由です。単に借入をすることではなく、長い目で見た事業戦略としての計画を踏まえる必要があるからです。
銀行交渉のためにも、自社の経営数字に常に関心を持っておきましょう。
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