
借り入れに対する誤解は多く、その多くは「借り入れが怖い」というものです。
しかし、実際には借り入れをしている事業者は一定数いる理由は、借り入れをすることによるメリットがあるからです。
今回は、借り入れをすることにより、会社経営にもたらす効果について書いていきます。
借り入れすることよりも恐れておくべきこと
「借り入れが怖い」という理由の多くは、「返済できるどうか不安」というものです。実際に返済できるかどうかは、利益を出さないといけませんし、返済期間もあるので、そう思われるのも無理はないのかもしれません。
しかし、借り入れ以上にもっと恐れておくことがあり、それは「現預金がなくなる」ことです。
会社が倒産する理由は赤字になるときではなく、現預金がなくなったときに倒産します。本当に恐れるべきことは、借り入れがあることではなく、現預金がなくなることです。
借りられるときに借りておく
本当に恐れるべきことは、現預金が底をついたときだと書きました。それでは、ここでどのような対策をしておくといいでしょうか?
それが、「借りられるときに借りておくこと」です。
将来的に売上が立たず、赤字になりそうなことを想像したとしても、まずは借りられるときに借りておくことです。
中小企業白書によると、約10年で30%の中小企業が退出するという統計があります。
10年で30%の割合ですから、決して低い割合ではありません。
ではなぜそれだけの割合で退出するかというと、それは現預金を残すように創業融資などを受けてこなかったのが大きな理由ではないでしょうか?
創業時に会社設立する際に、資本金1円から設立できます。会社法の施行により、最低資本金制度が撤廃され、資本金1円でも設立できるようになりました。
そのことにより、誰でも簡単に会社設立できるようになりましたが、裏を返せば、ビジネスを展開するのに1円しか用意しないため、創業融資が受けられません。
結果として、資金を調達できないため、ビジネスを展開するにつれ、資金不足に陥っていきます。
無借金経営より実質無借金の方が倒産しにくい
2つの会社があるとします。一つは預金100万円で、借り入れゼロ。
もう一つは、預金が5,100万円で、借り入れが5,000万円。
どちらが倒産しないかといえば、間違いなく後者になります。
なぜなら、預金が十分にあるからです。仮に、5,000万円の赤字を出したとしても、預金がそれ相応にあるため、潰れることはないからです。
最終的には、十分な利益を出して財務体質の良い会社、無借金経営を目指してもいいと思います。しかし、創業時は、銀行からのサポートを受けながら、資金不足に陥らないようにしながら、事業を立ち上げていく方が得策です。
まとめ
借り入れをすることによるメリットは、現預金を切らさないことであり、結果として倒産確率を下げます。
お金を集められるときに集めておき、現預金を多く持っておいて経営を継続するために備えておくことをお勧めします。
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