
会社の事業は順調に進んでいくとは限りません。
いつでも軌道修正できるように、非常時に残しておく資金を把握しておきましょう。

できるだけ無駄な支出をなくす
非常時に資金を残すポイントは、後述しますが、普段どのくらいの資金を使っているかを把握しておくことです。
普段の事業の活動であれば、資金計画も立てやすく、資金が貯めやすいことです。
注意しておくことは、利益が出ているときでも、資金を使いすぎないことです。
平時のときは、無理な支出は避け、できるだけ多く資金を残しておくことです。
売上が上がっているときは気づかないかもしれませんが、下がるときにどう対処するかも踏まえて、支出を抑えておく必要があるからです。
普段、必要な資金を把握しておく
では、普段から必要な資金は一体いくらぐらいでしょうか?
まず押さえておきたいのは、以下の項目です。
- 変動費、固定費
- 資金流出しない費用
- 資金流出する項目
変動費・固定費
売上の増減に伴って増えたり減ったりする費用を変動費といいます。
一方で、売上の増減に関係なく一定額支払う費用を固定費といいます。
売上高に応じて増えていく費用がどれか、そして、金額はどれくらいのものか把握し、ピックアップします。
次に固定費は、毎月払っている費用の内容をピックアップし、金額も記録していきます。
変動費の把握が難しい場合は、まずは固定費の把握から始めるといいです。固定費は毎月一定額の支払いのため、金額も把握しやすく、見積もりも取りやすいからです。
資金流出しない費用
資金が出ていかない費用で代表的なものは減価償却費です。
設備投資などをすると、先に支払った資金分を一定の年数に分けて費用にしていきます。
この減価償却費は先に資金を支払っている分、その先の数年間は、資金を支払うことなく費用になっていきます。
そのため、数年間は費用になっていても、資金流出自体はないため、お金が多く残るという考え方です。
先に設備投資で支払っている分、売上と利益の増加に貢献していれば、お金を残して節税効果もあります。
資金流出する項目
資金は出ていきますが、費用にならない項目として、借入金の返済額やリース債務の返済、生命保険の積立金などです。
これらは損益計算書の費用にはなりませんが、資金は出ていくものであるため、費用だけ見ていても把握できないものです。
毎月、いくらの返済をしているか、または支払っているかを把握しておきましょう。
売上の6ヶ月分の資金を用意しておく
非常時に売上が下がったときに、資金が足りないと精神的に追いつめられていきます。
ひとつの基準は売上の6ヶ月分は預金として、常に維持することを意識しておきましょう。
なぜ、6ヶ月かというと、仮に売上がまったくゼロのときが続いたとき、資金を支払うことだけが続く期間が大体6ヶ月くらいあれば立て直しができる可能性があるからです。
そのため、平時から資金を貯めておくことが大事なのです。
先程の項目をひとつずつ洗い出し、一月にいくら支払っているかを計算しておきます。
売上がその一月の支出を超えていれば、ひとまずは資金が出ていくことはないでしょう。
加えて、決算を終えたあとの税金の支払い分を把握しておけば、資金を残す対策はより確実なものとなります。
非常時でも備えておくためにも、普段から支払いを確認する習慣が役立つので、ぜひ身につけていただきたいところです。
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